ノルマルク戦記 6 挽歌の彼方へ

「よもや……敗戦の責任を取り、討ち死にされる覚悟ではないでしょうな!?」
ウルバヌスは、肯定も否定もしなかった。
「たしかに、ここから兵をまとめて退却するのは、いのちを懸けものにしなければ、できないことかもしれません。しかし、誰かが死ななければならないのなら、われが……」
「世迷い言をいうでない!」
必死に嘆願する猛将をウルバヌスは一喝した。
「若い者を、先に死なせる年寄りがどこにある!」


敵兵の生き方に思わず涙して、見方の生き方に心から怒りを覚える物語。 → 感想