2006-11-07 思い出はいつまでも カイルロッドの苦難 9 book 冴木忍 「そうか……。俺も恐ぇよ」 「……イルダーナフでも?」 「ああ、恐ぇ。だからな、どっかへ逃げちまいたい気もするんだが、そうなると寝覚めが良くねぇ。で、仕方なく踏み止まっているわけよ。何事もそんなもんさ。俺なんざ、その調子で三十年だぜ」 自虐とおどけの混じった表情で片目をつぶり、 「なぁ、誰かのためになんて気負うことぁねぇんだよ。気楽にいこうや、気楽によ。心構えなんていらねぇ。てめぇにできること以上をしようなんて、そんなこたぁしなくていいんだ。どう無理したところで所詮、てめぇはてめぇにできる限りのことしかできねぇんだからよ」 大満足なシリーズでした。→ 感想