ライタークロイス

「何が気に入らない?イシュトーが、バラム家に対する債権者であるがゆえか?」
「それもありますが」
まず肯定し、
「眼。言葉。態度」
律儀に、そして嫌味に、イングリドは列挙する。
「率直に申し上げれば、あなたからの好意は銅貨の一枚であれ、お受けできかねます」
「よい度胸だな。― カイン、私はたったいま、終生こいつを嫌いぬくと決めたぞ」

友情ものとしてほんと素晴らしいだけに、ちょっとだけ物足りなさがあるのが、なんとも惜しい。→ 感想