2008年ライトノベルマイベスト10
01:スプライトシュピーゲル(4) テンペスト(冲方丁)
オイレンとセットで読むのは絶対条件ですが、一冊ずつの完成度はオイレンの方が上かなと思うんですが、この四巻だけは別格です。読んでるとき、読み終わった後の興奮はいまだ覚えてる。
ジェットコースターな展開と、あらゆる場面で見せてくれるドラマと。涙ぐみながらページをめくる手を止められない素晴らしいお話でした。これからも全力で追いかけたいと思わせてくれるシリーズですね。
02:灼熱のエスクード(3) I WILL CATCH U(貴子潤一郎)
煉獄のころから好きでしたが、ちょっと地味かなーと思ってました。が、灼熱になってからは、とんでもないですよ!毎度毎度、ラストの引きがすごいんです。突きつけられる事実の酷なことといったら、胸が痛くなるばかりですが、あと二冊でどんな結末を見せてくれるのか。今から楽しみでなりません。
03:BLACK BLOOD BROTHERS(9) 黒蛇接近(あざの 耕平)
最終決戦一歩手前の緊張感がたまりません。戦力差がぎりぎりの均衡を見せているからこそ、ですよね。吸血鬼たちがみせるミミコへの信頼にじわり。
長編だけでなく短編も素敵で、お月見というお話をあそこまで切なく描いてくれるあざのさん、大好き。
04:戦う司書と終章の獣(山形石雄)
駆け引きによる緊迫感あふれる戦いを見せたかと思えば、激動の戦いでも見せてくれる。そんな戦いを見せつつ、それぞれの人物を掘り出して魅了してくれるから、このシリーズは素晴らしいんだよなあ。手が止まらないとは、まさにこのこと。絶望を見せた最後だけに、続きがどうなるのか待ち遠しいです。
05:アンゲルゼ 永遠の君に誓う (須賀しのぶ)
戦時下において過酷な運命を背負った少女の物語。突きつけられる真実は、切なく悲しく。それでも仲間とともに前を向き成長していく姿を見ると・・・いつかきっと、と願わずにいられないものがあります。全四巻完結なのが惜しまれますが、手を出しやすくもあるとおもうので、ぜひ。
06:されど罪人は竜と踊る(3) Silverdawn Goldendusk / されど罪人は竜と踊る(4) Soul Bet's Gamblers
今年出会ったという意味では一番印象に残っているかもしれない(スニーカー時代は知らないので)。常に絶望的な戦いの中であっても減らず口は忘れないコンビに魅了される。それにしても、4巻なんて絶対ムリ!って強者を相手に、よくぞ切り抜けたと拍手したく……なると、二転三転してどん底を味合わせてくれやがりますね。鬱展開というのはこういうものかと見せてくれます。すごい。
07:マーベラス・ツインズ (古龍)
お互いの存在を知らずに育った双子が、全く別の育ち方をして、敵として出会う。圧倒的ストーリィテリングっぷりに引き込まれること請け合いです。残虐な悪人たちをやりこめる痛快さや恋模様も見逃せません。
お願いですから、新章も本として出版してくださいね。
08:オペラ・アウローラ 君が見る暁の火 (栗原ちひろ)
2月に発売された最終巻に合わせて読んだ(読まされた)んですが、コミカルなかけあいと作り込まれた世界観が生み出すロードノベルファンタジーの最終巻は、涙なしでは読めなかった。世界の美しさを感じる物語でした。
09:ANGEL+DIVE(3) LOVENDER(十文字青)
盛り上がりという意味ではちょっと物足りなく、でも繊細な描写に魅了されていた物語が、第一部完となる三巻で一気に化けました。不安をはらみながら、それでもどうか幸せにと願わざるを得なかった二人の関係が導くあのラストは……忘れられない。
10:龍盤七朝 DRAGONBUSTER (秋山瑞人)
序章の剣技の描写にしびれるばかり。淡々と進んでいるように見えて、心捕らえて話さない展開は、まさにボレロ。ガールミーツボーイな作品としてもすばらしいです。続きが楽しみで仕方ない。
次点
各レーベルから一冊ずつ*1。
- 読んでるだけで元気になれる「時載りリンネ」
- たかが弁当されど弁当。半額弁当をかけて戦う狼たち「ベン・トー」
- バカな子の可愛さ炸裂「バカとテストと召喚獣」
- 頭脳戦、ベルセルクばりな男、足の引っ張り合い。さまざまな要素が絡み合う、反乱軍と王国軍の熱き戦い「火の国、風の国物語」
- 笑いのネタに不意打ちされまくりな学園スラップスティックコメディ「らじかるエレメンツ」
- 奴隷から皇子へ。入れ替わりの復讐劇「烙印の紋章」
- 先生への思いは誰にも負けない「スクランブル・ウィザード」
- MF版池袋ウェストゲートパーク「ギャルゴ!!!」
- 音楽は青春だ!「ぶよぶよカルテット」
- 脱力の魅力満載「人類は衰退しました」
- 完結まで読めたことを嬉しく思う「マリア様がみてる」
- 兄の代わりに男装して乗り込んだ妹が引き起こす宮廷喜劇「身代わり伯爵」
- 「お腹が痛い」の一言に悶えるばかり「死神姫の再婚」
- 清少納言の少女時代。お転婆っぷりに萌える萌える「魍魎の都」の姫様物語
- 十代にして陰陽師系列の跡を継いだ桐子。その恰好よさとツンデレさには惚れずにいられない「封殺鬼 鵺子ドリ鳴イタ」
- 天才だけど常識知らずなお坊ちゃまの乳母を勤める男子高校生の楽しい毎日「パートタイム・ナニー」
*1:あんま読んでないレーベルは除く