MM9

「私たち、ヒーローじゃありませんから。びしっと決めるなんてできないんですよ。かっこ悪いこともいっぱいあります。それが真実なんです。物語の中のヒーローだったら、必ず成功するんだろうけど。力が足りなくて、人を死なせちゃうことだって……」
こぼれかけた涙を、素早く手でぬぐって
「でも、やるしかないんですよね」

怪獣VS気象庁特異生物対策部のお話。政治やら世論相手に肩身の狭い思いをしつつ、人々を守るために戦い続ける気特対の面々の思いが熱かった。時に怪獣との人情話もあり、かと思えばたわいもない怪獣が一気に緊張感を高めたりと、連作短編のどの話も面白いです。ヒーローじゃない等身大の戦いが素敵でした。→ 感想