黄金の王 白銀の王

「死者のことばで生者を縛ってはいけない。生者のいる世は移り変わる。もはや変えることのできない死者のことばが、それを縛ってはいけないのだ。死者のことばに縛られず、生者がなすべきことなしていけば、何ごとも、きっと悪いようにはならない」

敵を滅ぼすためにと言われ争い続けてきた二つの一族の頭領が、国のために過去の柵を断ち切り平和な国を作ろうとするお話。大局を見誤りそうになること幾度もあり、どうなるのか手に汗を握り、乗り越えても乗り越えても困難は立ちふさがる。臣下には一言も話せない以上、どちらも辛かったと思うけど、より辛かったであろう薫衣に、妻が居てくれたことが本当によかった。あの場面はじんときた。最後辛かったけれど、これ以上ない終わり方だったんだと、そう思いたい。→ 感想