でるたさんが読んだなろう小説(2014年3月)その1

最近なろう小説をガリガリ読んでる。
面白い作品が多いというのもあるんだけど、「ラノベル」というiPhoneアプリが、縦書き表示してくれるというのも大きいと思う。ブラウザで読むのとは異なり、次のページを意識しないで、ガンガン読めるのはありがたい。
ただまあ、そのおかげで読書の止め時がなくて、休日とか気づいたら外が暗くなってたりするんですけどね……。続きがあると止まらないのが僕です。液晶画面で読んでいると、頭が痛くなるんですが、家から出ないのであれば、問題ない。

そんなこんなで、なろう小説に手を出してから、一ヶ月。お勧めされた作品ばかりなので、どれを読んでも面白かった。どんなものを読んだか、ざっくり紹介していく。

観賞対象から告白されました。

タイトルそのままです。イケメンを観賞するのが大好きな貴族のご令嬢が、ある時、観賞対象である超イケメンの侯爵子息から、女よけとして恋人役になってくれないかと頼まれて引き受けるというお話。
地味な女だから話を持ちかけたんだという子息のチクチク批判が、ツンデレにしか見えないのに、ご令嬢はまったく気づかず、そうですよねぇとか思っちゃう、このすれ違いっぷりが楽しい!にやにやたっぷりです。

謙虚、堅実をモットーに生きております!

高飛車で金持ちだけど最後に没落するという漫画の悪役お嬢様キャラに転生したことに気づいた少女が、没落しないよう謙虚に生きようとするお話。お金持ちらしく優雅にしようとするけれど、転生前の庶民的な感覚が残ってるというギャップがたまらなくおかしい。笑いが止まらない。
不器用な庶民という素顔を隠して、学内セレブのトップに君臨しつつ、セレブと庶民生徒の間にはいって、派閥争いにならないよう、顔はにっこり胃はキリキリさせながら頑張る姿が面白く可愛い。

リーングラードの学び舎より

貴族社会にもかかわらず、義務教育を推進しようと言う計画が持ち上がり、平民・貴族・他種族から選ばれた少年少女30名を集めた学園に、なぜか術式師ヨシュアンが教師として派遣されることになるお話。
これすっごい面白かった。子供っていうのは、どんな問題を起こすか予想できなくて、たいていの問題は、最強クラスのヨシュアは片付けられるんだけど、生徒の心の内はわからないから、気づかぬうちに傷つけちゃったりするわけで、真摯に向き合ううちに、生徒のみならず、先生も成長をしていくという展開が素晴らしい。
また、先生間の関係もいいんだなあ。子供のためを思う大人の頑張りは、格好いいったらないです。

八男って、それはないでしょう! 

転生したら、貧乏貴族の八男だった。大人になったら食いぶちは自分で稼がないといけないと言うことで、幼いころから自立すべくあれこれ挑戦していたら、いつの間にやら世界トップクラスの魔法使いになってたというお話。
現代日本のいい大人だったころの記憶をフル活用して、魔法を活かすと言うのがニマニマする。醤油とか作るなよ。しがらみからは逃れられないものの、力があるからこその余裕を持って廻りを見て、お金を稼いでいくという逞しさが楽しいです。
ハーレム展開ではあるんですが、そっち方面はなかなか進まないので、それはそれでよい。進んだら進んだで楽しいんですけどね。

その女、小悪魔につき――。

美人で完璧と評判の彼女が天邪鬼な男の子に言い寄るお話。これ最高!大好き!
言い寄られてもそっけなくして、でも気になると言う男の子の反応や、なかなか懐かない男の子にいろいろ仕掛けて余裕の笑みを浮かべて、でも素直に反応されるとドキドキしちゃう女の子が可愛いんですよ、もう!!(ふんふん)
いろいろと含みを持たせるような会話がたまらなく、一枚も二枚も上手な彼女の誘導っぷりと、深い話までしているわりには、いつまでたっても初々しさを感じる関係が素敵でした。キスひとつするのに、面倒くさいやりとりが生まれるけれど、それもまた楽しい距離感。

あの猫を幸せに出来る人になりたい

かわいいー!捨て猫を拾った対人恐怖症の男の子に、家が動物病院をやってる少女が声をかけて、と言うところから始まるお話。内気な男の子の精一杯のアピールと、気づいてないけどドキドキする女の子のやり取りが、たまらなくかわいい。一歩一歩近づきつづ、あとちょっと……というすれ違いに、ニヤニヤもだもだしまくった。
短いので読みやすい。

左遷男の幸福な日々

堅物過ぎて左遷された男が、左遷先でお嫁さんをもらうという書籍「左遷も悪くない」の本編以降のお話。次第に尻に敷かれてないですか?なんてニヤニヤしちゃうところもありつつ、やっぱり暖かい笑顔になるお話だった。妹のことになると頑固親父になるおにーちゃんとか、そんなおにーちゃん(というか上司)の気持ちに気づきつつも、ちょっかい出す伊達男のイイ性格とか、たまらないですね!

不機嫌な姫君に捧げる薔薇の花

貴族のお嬢様と平民出の騎士隊長の話。美しく気の強い姫の凛々しさに惹かれつつも、身分違いと距離をおいてるので、相手が迫ってくるのに気付かないという距離感が楽しい。平民であるが故に貴族の慣習が分からず、知らぬ間に姫が意識するようなことをしていたり、さりげなく姫に協力する周囲の人達の行動にニヤニヤしまくった。こういうお話好きだ。
同作者の「領主の愛する百合の花」も読んだけど、これは↑に登場するキャラの別の話。

やる気なし英雄譚

のちに「救国の英雄」と呼ばれるようになる昼行灯の青年士官のお話。左遷されても喜んでのんびり過ごしていたら、お姫様が視察に来て、ついつい手助けをしたら、親衛隊に抜擢されて、みたいなお話。どうしたって連想してしまうのがヤンなんですけど、でもこれが面白い。貴族ににらまれ、あちこち飛ばされるんだけど、飛ばされることを見越して策を練り上げていき、成果を上げていくというのがとても痛快。むろん、ひとりじゃなく、いろんな人の力を借りて、というのもいいですよね。

スイーツ王子の人探し

ガサツで女子力無、でもお菓子作りだけはプロ並という女子大生が、その腕前を秘密にしていたら、スイーツ大好きな大学院生に見つかり、秘密を守ってほしかったら、お菓子を作れと言われて、しぶしぶ作ってあげるようになるお話。
すっげー楽しい。初めこそ脅迫だったけれど、次第に苦じゃなくなっていくような、でも男女の話にならない距離感がいい。というか、男女ではないけれど、自分たちでもよくわからない大事な人(?)みたいな存在になってて、お菓子作りに関係あるようなないようなところで、手助けするようになったりするので、いったいどうなんですか、この二人は!(ふんふん)



続きは、でるたさんが読んだなろう小説(2014年3月)その2で。