でるたさんが読んだなろう小説(2014年3月)その2

でるたさんが読んだなろう小説(2014年3月)その1の続き。

悪役令嬢後宮物語

裏で王家を操っていると噂されるほどの悪人顔一家のご令嬢が、正妃候補として後宮入りすることになっちゃうお話。正妃になるつもりはなく、勢力争いのバランスを取るために後宮に来たのに、悪人顔のおかげで、何気ない会話なのに意味深に取られては誤解されまくって、敵も味方もたくさんできていくというのが楽しい。誤解を利用しながら、弱気を助け、強気をくじいていくのがいいんだなあ。次第に彼女の本当の姿に気づいていく人たちが増えると嬉しくなりますが、「お嬢様」の演技も痛快です。
そして一番はやっぱり彼女の恋ですよ。まだそんな自覚はないけれど、王様ではなく、そっち側にいくか……にやにやしまくる。

レジェンド・オブ・イシュリーン

現代日本から異世界に飛ばされた男が、後に女皇と呼ばれたイシュリーンと出会って、軍師として活躍していくお話。すっごい面白かった。初めて経験する戦場という場で苦しみ、でも彼女のために何ができるかと考え続けて、二人で成長していく様が素晴らしい。各国との戦いと策謀が見応えあって、ある戦いが別の国にこんな形で影響を与えるのか、というのが見える世界的な流れが面白いです。アルスラーン戦記とか好きな人におすすめかな。

シュガー・シュガー・シュガー(!)

うだつの上がらない大学生が、ひょんなことから知り合った人たちと、ボカロで音楽を作っていくお話。いやー、いい青春ものでした。なにがしたいという強い気持ちがあるわけじゃなく、流されまくりながらも、少しずつぶつかり合っていって、幾度となく解散の危機が訪れるけれど、次第に仲間と向き合えるようになる姿が眩しくて素敵。恋愛ものという感じはずっとなかったんだけど、ようやく恋っぽいものが出てきて、これが楽しみでしかたない。

ある魔術師とある王女の駆け落ち

能力はあれど、無感情な魔術師が、実は王女にだけは心を開いていた、というのが、周囲の人の語りによって見えてくるお話。短いお話なんだけど、これすっごい可愛い。まっすぐな恋なんですよ。結末はあっさりだけど、ニヤニヤしまくりでした。

魔法使いの婚約者

30手前で転生したら、のちに魔王を倒す勇者ご一行の魔法使いとなる男の婚約者になっちゃった、というお話。偉大な魔法使いとはいえ、子供の頃は子供なので、お姉さんぶって世話をしてたら懐かれて……みたいな感じで話が進んでいくんだけど、成長するとお姉さんぶっていたのに、次第にそんな顔を作れなくなっていく主人公の変化や、そっけなく見える魔法使いが実は……という本音が、周囲の目から見えてくるから楽しいです。気づかぬは本人ばかりと言うかなんというか、ニヤニヤが止まらない。あてられるお弟子さんが大変でした。たのしー

成金商家物語

×3で四十前の男のところに、元騎士の若き美しい娘が嫁いでくるお話。三度の結婚の失敗からすっかり女嫌いになった中年男の動揺っぷりが大変可愛い。怒鳴っては後悔して、プレゼント買っても渡せず。そんな男の素直になれない優しさにニヤニヤしまくった。初めは誤解していた娘も、もしかしたらと思い当って、ちょっとずつちょっとずつ距離を縮めようと頑張る姿が可愛いです。

イートリア国の王子様

美食の国で、料理で王子の花嫁を決めるという話が持ち上がったが、小さな食堂を営む少女は、興味をもっていなかったのに……みたいなところから、出会っちゃうのがアレなわけです。読者からしたら、何者かと言うのは想像つきますが、もちろん少女は気づかないというね!食堂だからご飯を食べさせてあげたりするわけで、そりゃ、うんうん。王子とその友人、少女とその友人という関係が生きてくる最後の方は楽しかった。

好感度が上がらない

乙女ゲームに転生してしまい、攻略対象の好感度パラメータが見えるようになった。義理の弟の好感度がマイナスだったので、せめてプラスにしたいと頑張っても、ぜんぜん好感度が上がらず……というお話。
好感度を上げようと、あれこれ頑張るお姉ちゃんの姿を見ているのが楽しい。だいぶ打ち解けてるように見えるけど、何で上がらないんだろう?という謎はちゃんと明かされます。短いけど良いものです。

男爵令嬢と王子の奮闘記

前世で、お金持ちと結婚し人間関係に苦労したシャナは、今回はつつましく生きようと思ったのに、ひょんなことから女嫌いの王子を助けて、結婚することになってしまった、というお話。
冷めていたが故に、目をつけられてしまうと言うお約束ですが、本人は望んでないけれど、着々と外堀を埋められていくと言う展開が面白い。王子の側近が、大変イイ性格しているので、気づいたら追い詰められてしまうシャナさんですが、彼女も挑発されたらきっちりとやり返しますからね。
嫉妬によるいろんなあれこれに対してやり込めるところが痛快。

だから彼女はキューピッドになりたい

乙女ゲーム転生もの。主家の少年・斎とヒロインの恋を必ず成就させるというキューピット役に夢中になる少女のお話。幼いころから斎の周りで好意全開しているから、そりゃ斎が誰に目を向けるかはわかってることだろに、本人はヒロインとの恋を成就させようとするから、ひどいすれ違いが生まれていく。笑いが止まらない。やがて気づく斎だけど、彼女の好意に嘘はないからいろいろ迷う羽目になって、いやはや惚れた方は大変だわと思うばかりです。
でもまあ、これがさらなるニヤニヤ展開になっていくので、たまらないですね。

異世界で地味な女が見合いした

日本から異世界に飛ばされて八年。地味に生きてきたリッカが、ある時クールな白騎士の青年と見合いをすることになるお話。お互い結婚する気はないけれど、もろもろの事情からお見合いすることになって、付き合う振りをし始めたら、クールだったはずの白騎士が、だんだんリッカを気にかけていくようになるのが、もうね!、バレバレなツンっぷりに、ニヤニヤです。

正妃になりたいわけじゃないっ!!

側室のひとりではあるが、一度も呼ばれたことがなく、その他大勢のひとりだったヤヤが、ひょんなことから皇帝に目をつけられて、というお話。傲慢な皇帝に折られるかと思いきや、何かと予想を裏切る芯の強さをみせるため、だんだんと皇帝が本気になっていくのがいいですね。
周りの人たちの嫉妬によって、いろいろ失敗させられるんだけど、皇帝がそんなこと気にしないから笑える。

盟約の花嫁

竜王の花嫁候補の付き人として、お城へ向かった少女のお話。誰もが美しいと思う花嫁候補が、影で色々やってるわけですが、そんな候補を慕いながら傷ついた少女が、陰ながら竜王に守られて、次第に……という王道展開。少女が大変可愛く、そんな少女を気に入る竜王がアレコレするやり方が、微笑ましい。
こういうのいいよねー。

夜の国

お城ではたらく下女。安月給でこき使われる彼女は、実は世界の『半分』を支配する夜の国の公爵だった……という変形俺TUEEE。昼間のシーンが多いので、こき使われては、嫌味な侍女たちから逃げている情けないところばかり見てますが、いざ事が起きれば、というのはやっぱり格好いいです。

不死王の息子

人外が当たり前になった日本。不死王の息子がクラスメイトかつお隣さんで、おじゃました時についうっかり口にしたのが不死王の血肉だった……という不死になってしまった少女と、底抜けに明るく迷惑な不死王の息子(&ファミリー)が繰り広げるドタバタもの。
わりとグロいですが、しっかり者の少女が、不死王家族、特にその息子に迷惑をかけられて、気づいたら世話を焼くようになってしまうところが、楽しく可愛い。
次第に見えてくるお話はシリアスなところもあるんだけど、ちゃんと幸せを感じられる終わり方で良かった。温かい気持ちになれました。グロいけど。



と、まあ、3月はざっくりこんな感じに読んでました。もしかしたら、抜けがあるかもしれないけど、それは見つけたらまた書いていくってことで。