でるたさんが読んだなろう小説(2014年5月)

そういえば、5月に読んだなろう小説のこと書いてなかった。
いや、さすがにペース落ちて……と思ったけど、一作の長さが長くなっただけのような気がしてきた。あと、これまで読んだやつの連載も読み続けてるので、ぜんぜん減らない。

っていうか、そろそろ、普通の本読みらしく生きていくからね!

I'll have Sherbet!

高二の春から一人暮らしをするはずだった弓月。だが、不動産屋の手違いで、年下の後輩の女の子・佐伯と同居することになってしまったというラブコメ。静かな学校生活を送りたかったのに、元気いっぱいな佐伯に振り回されていくうちに……みたいなお約束な展開が大変ニヤる。
いろいろモーションかけてくる佐伯さんを軽くあしらうところもいいけど、乗ってみたら恥ずかしがって何もできないと言う佐伯さんを見るのも楽しかった。この人の描く男女の距離感大好き。

ドラグーン

評判の悪い貴族の跡取りとしてワガママ一杯に育てられたルーデルが、竜騎兵に憧れてまっとうな道を歩んでいくお話。
正直序盤は読みづらかったんだけど、憧れに向かって真っすぐ進む少年の生き方がとても良い。実はゲーム世界であり、設定と違う生き方をするルーデルに対して、世界が厳しいんだけど、それを自分だけでなく、仲間と共に乗り越えていくという冒険譚が面白かった。周りに目標となる強い人がたくさんいるのもいいですね。

この世界がゲームだと俺だけが知っている

バグ満載なゲームの世界に入り込んだゲーマーな少年が、バグを利用してレベル以上の活躍を繰り広げていくお話。
ゲームの中の人として、チートしていくところも面白いけど、こんなバグがあってそれによってこんな事件があったんだよ、というゲームに纏わる逸話の話も面白い。すっごいくだらないバグが、使い方次第で活きてくるところに、ゲーマーな人たちの業を感じる。良くあるような設定に思ったけど、毎度楽しく読めた。

無職転生 - 異世界行ったら本気だす -

ぐうたらニートで人生を後悔している時に死んだ主人公が、異世界で赤ん坊に転生したことに気づき、今度はまっとうな人生を送ろうと頑張るお話。
初めこそ、前の世界での性格がにじみ出ていたけれど、師匠や友達のおかげで、外の世界を見ることが出来て、いろんなことを学んでいくうちに、次第にまっとう……まっとうか、うん、まっとうだな。彼の成長譚もいいけれど、幼馴染とのすれ違いとか、冒険についてきた少女との別れと再会など、人間関係もよかったなあ。

金色の文字使い

ファンタジア文庫で出てるというから、買おうと思ったら品切れだったので、なろうで読み始めた。
リア充たちが勇者として召喚され、たまたま巻き込まれて異世界にいった主人公が、ユニーク魔法を活用してひとり好きなように生きていくというお話。書いた文字が実現するという文字魔法が万能すぎるんですが、それはさておき、人間族、魔族、獣族といった種族間の争いにわれ関せずで動き回り、自分の興味あることに首を突っ込んでいくうちに、いつしか多くの人たちから信頼を受けていくというのが面白い。がめついだけのように見えるんだけど、一度懐に入った人に対しては、ツンとしつつ優しいからなあ。
ハーレムよりも珍しい本が読みたい、おいしいものが食べたいという欲で動くあたりが、楽しかったりします。

Unnamed Memory

「でるたさんが好きそう」とt-snowさんおすすめされて、読んだらめっちゃ好きだった悔しい。
赤ん坊のころ、魔女の呪いを受けて、子孫を残せなくなった王太子が、大陸最強の魔女に呪いを解いてもらおうと、魔女の塔を制覇して、解呪ができないなら結婚しろという願い事をして……というお話。
これは素晴らしい。言い寄っているようで、さりげなく距離を置く。それぞれが見せる距離感が絶妙です。命のやり取りをするような真剣勝負であっても、どこかいちゃついてるような感じを受けるのは、お互いが相手を尊重し、信頼している様子が見えるからなんだろうなあ。
周りの人たちからすると、さっさと付き合っちゃえばいいのに的な状態なのにもかかわらず、結婚する気ありませんからという魔女の態度が、大変にやり。
第一部から第二部になって、ガラッと変わるんだけど、それでいてやっぱり運命は変わらないというその距離感が最高でした。全力でおすすめ。