ひずき優
「おまえみたいな生意気な女を妻にしようなんて寛大な男は俺くらいなんだぞ。こんなに勝手気ままで、人を振り回しておいて全然気づかないで、なのにいつでも頭から離れないような迷惑な女、俺以外の誰がほしがるっていうんだ!」 ルシュドは目眩をこらえるよ…
「……ケガをするとやさしいんだな」 ぽつりともらすや……彼は顔をしかめ、そう言った口元を拳で押さえる。その頬が少しだけ赤くなっているのを見て、なぜかフェリシアまでうろたえてしまった。 やさしくされるととまどうのだ。彼は。 憧れの人との結婚式当日に…