北山大詩
「何だよ。さっきまで『お兄、お兄』って連呼してたくせに」 「い、言ってないわよ。そんなこと。ばかっ」 面白いしスピード感もあるんだけど、なんか物足りなかった。 → 感想
大きな期待と、少しのやっかみ、そして僅かな呪いを込めた視線に晒されて、引っ込みがつかなくなる。司会者役の男子生徒と女子生徒も、二人を逃しはしないと、透と響の両側を固めた。 もうこの場を収めるには、ひとつしか手はなかった。 「仕方……ないわね」 …
「じゃあ、二十分ほどで解決させて戻ってくるんで、それまでに準備をお願いします」 「うわ、自信家ねー」 耳元で囁かれる響の声がくすぐったい。 「俺とおまえが揃えば無敵なんだろ?」 「ふふん、そうよ」 コミカルさとスピード感のあふれる展開がこれで終…
「薫、あんたの役割は?」 「え?」 突然響が横から口を挟んだ。厳しい表情で、むしろ睨みつけているようにすら見える。 「え、じゃないっ。今あんたに出来ることは何って聞いてるのっ。めそめそ泣いてるだけなら今すぐ帰りなさい。足手纏いよっ」 勢いの良…
「というのは冗談で、別にただでやってやってもいいさ」 「ほんと?」 「その代わり『透さま、お願いします。どうか私を助けて下さい』と言え」 「誰が言うかっっ!」 サスペンスいっぱいのストーリィ → 感想
文句なしに今回の新人賞三作の中じゃトップ → 感想