奥山鏡

身代わり花嫁と公爵の事情

「まあ、フラン様ったら。お顔が見事な緑色。馬車に酔われましたか?そうそう、いいお薬が……」 「違うよ……」足元の鞄を探ろうとするケティを押しとどめる。 「姉上のせいだよ。男の僕を花嫁に仕立て上げるなんて、むちゃくちゃすぎる。ばれたらどうするんだ…