峰守ひろかず

ほうかご百物語 4

「でさ、伊達さん。白塚にチョコやんねえの?」 「え。あ、あたしが……しっ、しししし、真一に?」 「ほれ今日ってバレンタインだし。伊達さんはてっきり気軽に渡すもんかと」 「な……ないよ」 「へ?」 「ないからね、そんなのは!」 真一の迷いがみえたけど…

ほうかご百物語 3

「でも、今の僕の気持ちは慈五郎さんとあんま変わんないけど。イタチさん好きだし」 「え!そ、それはその、あの、う、う……嬉しいけどね、でもほら、最初は」 「うん。最初は絵に描きたかっただけだった、でも今は違うよ。僕はイタチさんのことが」 「わ、わ…

ほうかご百物語 2

うろたえる僕の耳元にイタチさんは顔を寄せると 「ありがとう」 小さな、それでも確かな声で 「ありがとう、真一。……ありがとう」 はっきりと、何度もそう言ってくれたのだった。 今回も、ほのぼのでコミカルでした。さりげなくお気に入りになるかもしれない…

ほうかご百物語

「……あ、あの。あのね、真一」 「はい」 「本性が出てたのを教えようとしてくれたのは嬉しいし、たぶん最初は口で言ってくれたんだろうけどそれに気づかなかったのはあたしが悪いんだけど、けどね。それでもほら急に、しししし……尻尾をね、あ、あんな風に、…