月見草平
「神楽には今の私の気持ち、分からないわ」 「うん、分からない。でもあなたが理不尽なことを言ってるのは誰にだって分かるよ。今日の終業式のために今まで頑張ってきたんじゃない。それを全部投げ出して、逃げるなんて、そんなのおかしいよ」 「……」 「まあ…
「よしっ、分かった。そういうことなら、ボクも手伝う」 唐突に結衣が手を打った。 「「へっ?」」 ちとせ先輩とオレの声が重なる。 「だから、ボクもちとせちゃんの対人恐怖症を治すのを手伝うってこと」 「「え、ええーーーーー!?」」 結衣と共にすごし…
「なによそれっ!」 「えっ?」 「じゃあ、純人は私が誰とどうなっても別に気にならないってこと!?」 「いや、そんなことを言ってるわけじゃないんですけど」 「言ってるわよ!!」 両手を握りしめて叫んだ。 「家まで励ましに来てくれた純人のこと、見直して…
「で、でも、オレ、見ちゃいましたから。生徒会長の割れた体の中に……」 「中に?」 「……中に女の子が入っていたのを」 「『中の人』など、いないっ!」 ほんとに中の人だとは!さてさて、どうなっていくのかしら。→ 感想
「朝永はまだ一人で飲んでるぞ」 「あ……そうなんだ」 「まだお酒は残っている。飲みすぎはよくないが、時と場所を選んで少量を飲む分には有益なこともある。たとえば勇気を出したい時とか」 委員長は片目を瞑って見せた。 「それって、どういう意味―!?」 …
つまり状況をまとめると、委員長が朝永と顔を近づけあっている……。いや、推察を交えて、より簡潔にするなら、 朝永と委員長がキスをしようとしている、 ということである。 ど、ど、ど、ど、ど、ど、ど、ど、ど―いうこと!? コミカルな恋愛とグッとくる物語…
「本人にその気がないのだから仕方がない」 「だから私たちでなんとか説得するのよ」 「なぜ、そんなことをしないといけない?本人は死にたがっているのだぞ?それに親父の意思を押しつける理由があるのか?」 「あるわ。それが家族なのよ。ファミリーよ。ラ…
シリーズ最終巻 → 感想
出だしから意表をつく展開。→ 感想
厳しい修行に勤しむ毎日。そんなとき、ロックスミス協会から、ロックスミスライセンスの試験官として、師匠であるミラのもとへ要請があった。しかも、カルナもその試験を受けることに! 突然のことで慌てるものの、初めて訪れた試験会場の賢者の学院。 そこ…
魔法鍵師。それはあらゆる鍵を開ける職業。 ロックスミスとも呼ばれる鍵師になるために、カルナは修行に励んでいる。 師匠は口も性格も悪いが、腕も、魔法の技術も大陸一。 そんな師匠のもとに来て早三年。 定番中の定番である金庫開けの仕事が来たとき、師…