東野圭吾

探偵倶楽部

ワンマン社長の自殺と思わしき死体を見つけたのは、宴会も終わりに近づいた頃だった。 結婚が成立していない女性、会社の世間体、遺産の行く末。 それぞれの思惑を反映させるべく、発見者たちは事故死を装うことにした。 だが、宴会を終わらせ、小細工をし、…

ゲームの名は誘拐

自信はあった。それだけのことは証明してきた。あとは進むだけだった。 その企画を潰したのは発注会社の副社長。 仕事を降ろされた俺は酒の勢いでその決定を下した副社長の家に向かった。 そこで見たものは塀を乗り越えて外へ出る女性。 思わず追いかけて話…

容疑者Xの献身

毎日買いにいく弁当屋。そこでは石神の隣の部屋に住む靖子が働いていた。 数学だけが生きがいの石神にとって、彼女は見ているだけで生きがいとなる存在だった。 だがある日、元夫が靖子のもとへ現れた。かつて幾度となく暴力を振るった元夫。 娘を、自分を守…

時生

「あたしの家はね。呪われてるの」 それはグレゴリウス症候群という遺伝病。脳神経が死滅していく病気で治療法は見つかっていない。 発生するのはまず男性であり、麗子はそのキャリアだった。だから結婚できない、と。 それでも良かった。一緒にいたかった。…