容疑者Xの献身

毎日買いにいく弁当屋。そこでは石神の隣の部屋に住む靖子が働いていた。
数学だけが生きがいの石神にとって、彼女は見ているだけで生きがいとなる存在だった。
だがある日、元夫が靖子のもとへ現れた。かつて幾度となく暴力を振るった元夫。
娘を、自分を守るために、靖子は衝動的に殺してしまった。
そのことに気づいた石神。
天才と称された頭脳を花岡親子を助けるために駆使し始めた……。


読み終わったとき、いやその前にもトリックを明かされたときの衝撃。
鳥肌が立ちました。ものの見事にだまされた感いっぱいです。
さすが東野圭吾だ。


自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかを確かめるのとでは、どちらが簡単か。


そんな命題を掛けたふたりの天才の知恵比べ。さりげない描写が重要な意味を持つ伏線。
明かされた事実を超えるトリック。最後に流れる涙。


私の考え得る
最大の純愛
最高のトリックです

そんな著者自身の言葉に裏切られることはない。
これは間違いなく今年 No.1 のミステリィです。


容疑者Xの献身 - 東野圭吾