穂史賀雅也

オウガにズームUP!(3)

「はい、じゃあルールの説明をしまーす。今からユージちゃんにあたしたち二人を食べて貰いまーす」 アリアンナは言った。 「一口ずつ食べて、どっちがクルルちゃんか当てたらあなた達の勝ちでーす」 「な、なにそれ……」 女の子達の気持ちがちょっとわかりに…

オウガにズームUP!(2)

「楽しかった?」 「そうだ。自転車に乗れたし、アイスも食べられた。それに、お前と一緒にこうやって歩いているからな」 「歩いているだけなのに、楽しいか?」 「楽しい」 ちょっとずつ距離を縮めていく二人がとてもいい雰囲気。いきなりくっついたことで…

オウガにズームUP!

「で、トイレじゃない大事なことってなんだ」 ユージの言葉に、ククルは目を伏せる。 「その……」 「?」 「ありがとう」 一行目を読んだときはどうしようかと思ったけど、微笑ましい展開に満足です。ああ、この距離感はほんとすばらしいなあ。続きに期待。 →…

暗闇にヤギを探して 3

零距離だ。もう引き金を引くしかない。その結果が何であれ、あたしは受け入れてみせる。 あたしの弾丸よ。 まっすぐ、心臓を、撃ち抜け。 「あたし、合人のことが―」 これで終わりなんてさびしいなあ。この雰囲気は大好きなので、次作も期待です → 感想

暗闇にヤギを探して 2

「しょうがないよ。ほかの人の気持ちなんて見えないんだからさ。気持ちも見えればいいのに。今怒ってるとか、うれしいとか悲しいとか」 「んー、そうじゃなくてね」 姉さんは言った。 「ほかの人の気持ちなんてわかんなくていいのよ。『人の気持ちがわかる』…

暗闇にヤギを探して

「それには、まずオムレツね」 「オムレツですか」 「オムレツです。オムレツが嫌いな人類は存在しません。世界中の卵がある国にオムレツは存在しているわ。もし、オムレツの嫌いな人間がいたら、その人は地球外生命体だから、コンタクトには注意したほうが…