萩原麻里

暗く、深い、夜の泉

「信じられない」 また吐き気がこみ上げてくる。だが絵梨が顔をしかめているので我慢すると、彼女は皮肉な笑みを浮かべてつぶやいた。 「まだ気づかない?やっつめの怪談の正体」 「え?」 「なんでタタリ姫について調べたら死んでしまうのか。今の話がその…

月明のクロースター 虚飾の福音

「貴方が私達を疑っていることは知っていたわ。でもね、憂愁者。私達は無意味に貴方を仲間にしたわけじゃないの」 だから。 「好きなように行動なさい。私たちも、心ゆくまで貴方のお相手をしてあげるから」 これは素敵な学園サスペンスでした。もうちょっと…

黒耀姫君 ―はじまりのゆき―

「無謀さと勇気は似ているようでまるで違う。できることとできないことはちゃんと見極めろ……おばあちゃん、よくそう言ってたよね」 「そのかわり、助けて貰った分、人を助けてあげればいい、だね」 ああ、どうなっていくんだろう。まだ始まったばかりって感…

カタリ・カタリ トキオカシ2

「あの二人は今度もまた、助けを求める仲間を救えない。不幸な運命に見舞われた仲間をそのままにして、戻ってきちまうのさ。 どれだけ頑張っても、どれだけ望んでも、歴史をかえることはできない……それこそがあの二人の『運命』なんだからね」 まだまだ続け…

トキオカシ

「……もしかして、わたし、あなたと会ったことある?」 「いいや」 言って、女はひどく印象的な笑みを浮かべた。 「これから、会うのさ」 時に呪われた家系に生まれついた者たちの物語。素敵に面白い。→ 感想