ユージニア [amazon]

二十年近くも前の夏だった。
青沢家で催された祝いの席で死者十七人を出したあの事件が起きたのは。
容疑者の自殺で一応の解決に至ったものの、巻き込まれた者たちは釈然としない。


月日が経ち、埋もれた記憶の中から、引き上げられ、まとめられた本「忘れられた祝祭」。
その本を元に、当事者たちの様々な視点から事件を見直す形式で書かれたこの作品「ユージニア」。
まるで自分がその場所にいて、その人たちの話を聞いているような、そんな錯覚を覚えるほど入り込んでしまいました。
それぞれの当事者が持っていた疑問を持ち寄る事で、少しずつピースがはまっていく感じが気持ちいい。
素敵な雰囲気の物語。
最近はずれがなくなってきたなあ、恩田陸
お勧め作家の一人です。


ユージニア - 恩田陸