蟲と眼球とテディベア

知力、体力、財力、そしてスタイル。すべてにおいて完璧な教師、賢木。
唯一の欠点は生徒である宇佐川を溺愛していること。
貧しいながら賢明に生きる宇佐川。陰ながら援助する賢木。
そんな二人の幸せは占い師の言葉から崩れ始めた。


「彼女は悪魔に殺されます。無残な方法でねぇ」


蟲と呼ばれる存在。
眼球をえぐる少女。
アダムをそそのかしたとされるヘビ。
それはすべて「林檎」がもたらしたものだった。
それぞれの思惑が混ざり合い、戦いあい、ふたりの幸せを破壊していく!


初めはコメディものかと思いきや一転してシリアス。
二転三転する物語は読み進めるうちに不安という感情しか呼び出さない。


しかしこの日日日という作家は、作品によってがらりと作風を変えてくるな。
今回は今までの日日日作品の中では一番小粒。
正直オススメ!と手放しで言えるほどではない。
まだ日日日を読んだことが無い人には特に。
他の作品を読んで、気に入った人は読んでみるといいかもしれない。

第1回 MF 文庫Jライトノベル新人賞編集長特別賞受賞。


蟲と眼球とテディベア - 日日日