いつかパラソルの下で

家族にも自分に厳格だった父。
あまりにも厳しかったため、成人すると早々に家から出た私と兄。
そんな父が亡くなった直後、父の部下だったという女性から連絡があった。
「私のせいで部長は……」
そんな父をまるで知らないことに気づいた私たち子供は、父の過去を追うことにした……。


明らかになっていく父の過去。それと同時に過去を見つめなおす自分たち。
深刻な話なのに、それをわかりつつ重過ぎないように書かれる物語。
いやあ、いい作品です。
この著者の作品をはじめて読みましたが、かなり好みの文体とテンポ。
個人的に高評価。他の作品にも触れることにしましょう。
第133回直木賞候補作。オススメです。


いつかパラソルの下で - 森絵都