QED 〜 ventus 〜 熊野の残照

薬剤師会で催される旅行。参加することに決めたのは熊野だったから。
捨てたはずの故郷、熊野で確かめたいことがある。
共に参加する 12名の中で最も若い私。
年齢が近い女性に棚旗さんがいたので、一緒に行動することにした。
そんな彼女の側には桑原祟という男がいて、彼はとんでもない偏屈な男だった。
たが、薀蓄を語るだけの男と見ていた彼の言葉に、徐々に心揺さぶられることになり……。


語られる熊野の歴史。徐々に明らかにされる謎。言ってみて初めてわかるその不思議さ。
熊野三山への参拝順路にそこまでの仕掛けがあったとは。
「これで、証明終わり(Q.E.D)」
ストンと納得させられました。


ちょっと気になったのは、三種の神器のくだり。
「ちょっと面白い話があるから」と、わざわざ傍点までつけられた部分。
次作以降に語られるんでしょうか。う〜ん。気になる。


中盤までのほとんどが会話でなされるストーリィ展開。
説明文がこれほどまでに読みやすいのはキャラクタのおかげか、解説のうまさか。
思わず熊野にいって、彼らの跡を追ってみたくなる(いつもこの感想だ)。
歴史ってほんと面白い。そう思わせてくれるシリーズ第10弾。


QED 〜 ventus 〜 熊野の残照 - 高田崇史


前作の感想: QED 鬼の城伝説