高田崇史

QED 伊勢の曙光

「定事……って、天皇家にとって、伊勢神宮の祟りは通常の出来事だったというんですか!」 「そうね」 「祟りが?」 「はい」 説明が付きそうでつかない仮説にもどかしさを感じていたけれど、最後の最後でピタっとはまってくれるから、このシリーズは面白いん…

QED 出雲神伝説

しかし……あの小松崎の話。出雲と奈良とは。 祟にとっても、避けては通れない場所。 いや、本音を言えば、いつかはこういう日が来るのではないかと心のどこかでずっと思っていた。それとも、この日を密かに待ち望んでいたのか。 十八年も前から―。 連続殺人事…

QED 諏訪の神霊

「いいじゃない」ニッコリと笑った。「タタルさんと二人だけで行けば」 「えっ」 「たまには良いんじゃないの」 「そ、それは……どうかしら?」 「良いと思うよ」 「あなたが勝手にそんなこと言ったって―」 「平気平気」 「でも―」 なかなか進まぬ二人の仲に…

QED 〜flumen〜 九段坂の春

「いや、止めよう」 小松崎は笑った。 「自分の心に嘘を吐くのは良くねえな。他人に対しての嘘ならば謝りようがあっても、自分の心に対してはどうしようもねえよ。体を壊しちまう」 そう言った時、いきなり大きなくしゃみが出た。初めて味わう変な感触だった…

QED 河童伝説

「だから言っただろう。こんな遠くまで来なくても、河童はどこにでもいると。きみの周りにいくらでもいるし、きみ自身がそうかもしれない。わしがそうであるようにね」 「はい……」 「河童たちの運命は、なぜか判で押したように悲惨じゃな。そう思わないか?…

QED ventus 御霊将門

「まあ、取り敢えずきみたちは―」 祟は二人に向かって言う。 「平将門が全く怨霊ではないということだけは分かっただろう?」 奈々は自分の耳を疑った。 怨霊ではない? あの、将門が? またもや驚きの事実。いやあ歴史って面白いですね。 → 感想

QED 神器封殺

昔、この国では一体何が行われていたのだろう? → 感想

QED 〜 ventus 〜 熊野の残照

薬剤師会で催される旅行。参加することに決めたのは熊野だったから。 捨てたはずの故郷、熊野で確かめたいことがある。 共に参加する 12名の中で最も若い私。 年齢が近い女性に棚旗さんがいたので、一緒に行動することにした。 そんな彼女の側には桑原祟とい…

QED 鬼の城伝説

「おもしろいものを見せてあげる」それが彼の最後の言葉だった。 指定された時間に蔵へ行ってみると、扉が開かない。中を覗くと見えたのは、床に転がっている首だった……。 そんな事件に巻き込まれた友人の話が記者である小松崎に持ち込まれた。取材に行く小…

QED 〜 ventus 〜 鎌倉の闇

「鎌倉とは屍倉なんだよ」 そんな鎌倉という地にまつわる話。普段意識せずに行っていた風習に隠された事実とは。 ミステリィの形を持っているため、殺人事件が起こったりしますが、ぶっちゃけそんなものはどうでもいいぐらい、歴史がわかりやすく、面白く語…

QED 龍馬暗殺

久しぶりのQEDシリーズ。今回は坂本龍馬について。 相変わらずの主人公たちの関係が楽しい(もちろん謎解きも)。 普通に考えたら、いくら高知へ行ったからといって、酒の席で坂本龍馬 についてあんなに語り合うかと言ったらないだろうけれど、そこはキャラ …