9S (ナインエス) Ⅵ

体内に打たれた毒。残り時間は 32 時間。「海星」の黒川の手に由宇は落ちた。
由宇の頭脳から遺産の技術を奪い取ろうと、黒川はあらゆる手段を尽くす。
一方、「海星」により手足をもがれたも同然の ADEM
かろうじて逃げ延びた幹部クラスが狙うのは……。
そして地下へ閉じ込められた闘真が見た LAFI フォース。今までの LAFI シリーズとはまるで別物の系統。
そこで明らかになる闘真の過去。
そんな彼を導いたのは最後の鍵を握る人物だった……。


「とうまああっ!」
その一言がすべてを語る。それに込められた思い。
絶望の闇に灯った、たった一つのはかない希望。
そこへ至るまでの由宇の心情。特に最後を覚悟した心のつぶやき。
孤独であることは今までも随所に表されていた。それでもその哀しさは心にきた。
読み終わったときの興奮はいまだ冷めることが無い。
「ついにたどり着いたか」
風間と同様、そう言いたくなる展開。
次作がとてつもなく待ち遠しい ADEM 編の中巻。


9S (ナインエス) Ⅵ - 葉山透


前作の感想: 9S (ナインエス) V