群青神殿

二隻の船が沈み、二十人以上の人命が犠牲になった。
沈没する船からの最後の通信内容。
「硬い、化け物だ……」
いったい何が起こったのか。
海保が調査を依頼したのは、海底に眠る燃料メタンハイトレードを探索する「デビルソード」を扱う会社だった。
「デビルソード」の乗員である、俊機とこなみがそこで見たものは……。


海を愛するがゆえに、海の恐ろしさを知る。


自分たち人間は電波と音波でこの星の上を調べつくしたと思っている。どこがだ?
たった七キロのただの海水に俺たちは目を塞がれている。
その下で何が起こっていても知ることができないのだ。
日の光すら届かない海底の恐ろしさ、海の中にいる不思議な生き物との戦い。
そして最後に発見する感動。
冒険小説の王道とも言うかオーソドックスなストーリィ。いいじゃないですか。
願わくば、もうちょっとふたりの仲をごにょごにょとこねくり回してほしかったかな。
贅沢?


群青神殿 - 小川一水