王都奪還・仮面兵団 アルスラーン戦記(7)(8)

パルスの王都エクバターナへはじめに入ったのは、ヒルメスだった。あとを追うアンドラゴラス
同じく王都を目指すアルスラーンだったが、ルシタニア軍を叩くことを優先した。
やがて明かされるアルスラーンの出生の秘密。
アルスラーン、そなたは、妾の子ではありません」
今まで母と思っていた王妃の言葉。
その言葉がもたらすアルスラーンの決意。
それはパルスがふたりの王を迎えることになる決意だが……。


名も無き騎士の子が身にあまる望みを持ってしまった。
ならば、その望みをかなえるために向かう先は……。


「個人の善意や勇気では、どうすることもできぬことが人の世にはある。だからこそ、権力が正しく使われることが必要なのだ」


だからこそアルスラーンは権力を欲したのだ。
だからこそダリューンナルサスをはじめとする後に「十六翼将」と呼ばれるものたちは、
アルスラーンを支えたのだ。


長い長い物語の第一部がようやく完結する本作。
第二部が始まる本作。
さらに、アルスラーンたちと共に戦うことになる前にダリューンが訪れた絹の国 - セリカへの旅の短編が収録されている本作。
アルスラーン戦記外伝「東方巡歴」は、もともと角川ノベルズの「ザ・ファンタジーⅢ」に収録されていたと記憶している。
その後、アルスラーン戦記読本に収録されて、本作にも収録されたわけだ。


ダリューンの過去のみならず、ナルサスファランギース、キーヴの過去はほとんど明かされていないのだから、少しだけでもいいから物語をつむいでほしいと思う。


大いなる感動とさらなる展開が期待を持たせるシリーズ第七、八巻。


王都奪還・仮面兵団 アルスラーン戦記(7)(8) - 田中芳樹


次作の感想: 旌旗流転・妖雲群行 アルスラーン戦記(9)(10)
前作の感想: 征馬孤影・風塵乱舞 アルスラーン戦記(5)(6)





ちなみに「東方巡歴」といえば、つい先日「英雄譚」なる本が出版されたらしい。
英雄譚 (光文社ブックス (81))


Amazonで目次を見たらこんな感じ。

総力特集「田中芳樹の世界」
○ 書き下ろし新シリーズ「白銀騎士団」(ルビ シルバー・ナイツ)
○ 対談 田中芳樹vs藤田和日郎(漫画家)
「漫画家として、小説家として」
○ マンガ 皇なつき特別書き下ろし
アルスラーン戦記外伝 東方巡歴」
○ パルス王国物語・キャラ図鑑・魔軍解剖・会戦ガイドほか
田中芳樹 欧州シリーズ解説・丹野忍 描き下ろしピンナップ
など
巻末特別付録
アルスラーン戦記最新作『魔軍襲来』田中芳樹生原稿袋とじ
田中芳樹特集ってだけでもアレなのに、「東方巡歴」のマンガですか。
それも皇なつきさんの!
うわ、買ってこようっと。