わたしたちの田村くん 2

「相馬さんって誰?」


松澤の問いに返す言葉が思い浮かばない。
揺れる心。だが、相馬はいつも通りに接してくる。
心が苦しい。いつも通りに接することができない。
自分は何をしているのか。誰を求めているのか。
毎日のように悩む日々。
そんなとき、陸上の大会で松澤がこっちに戻ってくるという知らせを聞いた田村は……


「・・・…こ、んなのは、……やだよ……っ」
わかる、わかるよ、そのきもち。


「あんた……本当に、これを、捨てられるの?」
捨てられません。絶対に捨てられません。


「……一等賞、くれて……ありがとう……!」
ふたりともすごいいいね。


相変わらず振り回される田村くん。
読んでいて痛々しいぐらい伝わってくる悩みにニヤリと笑っているのははじめだけ。
いつしか感情移入してしまう。自分だったらどうするだろうと。
これほどまでの葛藤はするだろうか。わからないな。


これだけの作品がここで終わってしまうのは、なんとももったいなすぎる。
「ある日しれっと続巻が出てしまうかもしれません」(あとがき)
ってことなんで、楽しみに待っていたいと思います。


ちなみに「わたしたちの田村君」松澤派vs相馬派 人気投票なるものがあったようで。
個人的には 1巻だけを読んだなら松澤派、2巻だけを読んだなら相馬派かな。
両方読んだらどっちかって?
そりゃ……。


わたしたちの田村くん 2 - 竹宮ゆゆこ


前作の感想: わたしたちの田村くん