バクト! Ⅴ The Ghost

「国定ヒロトが障害事件を起こしたぞ」
そんな校長の言葉に驚き、慌ててヒロトのマンションへ駆けつけると、紗都里がいた。
どうやら完全に被害者であり、手は出さなかったらしい。
ほっとしたのもつかの間、今度はヒロトが拉致された。
普段ならともかく、怪我を負っている状態。逃げ出せはしないだろう。
犯人からの要求は「ダランベール黙示録」。
ダランベール黙示録」とヒロトの命、そして無関係な子どもの命を賭けて
音無はカジノへ向かった……。


いつもなら何やかんやで助けてくれるヒロトがいないからだろうか。
今回はかなりサスペンスな展開。これがまたいい具合に面白くて。
音無の成長も見逃せない。


今作でもうひとつ見逃せないのがヒロトの過去でしょう。
今までほどんど明かされなかった過去が、それも水月との過去が明らかにされる。
暗い過去。自らの手で追い詰めた過去。自らが原因を作った過去。
悔やむヒロトに刑事の言葉が光る。


たがだが十五年ぽっちの人生で、選挙権もないようなガキんちょが、だ。
そうそう後戻りできねえところまで行けるわけがないんだよ。

う〜ん。いい味出してる。
いつもどおり音無の説明で語られる物語のトリックは、ちょっとあからさまだったな。
あそこは普通に疑問に思ってしまったので。もうちょっとひねってほしかったなあ。


それよりラストですよラスト。
いったいありすに何があったんだ?そして原理とは?
決別を思わせるセリフはいったい何が原因なのか。
あと 2巻で終了するのがもったいないギャンブルミステリィシリーズ第五巻。


バクト! (5) - 海冬 レイジ


前作の感想: バクト! Ⅳ The Revolver