海冬レイジ
「桃原誓護は非力な人間にすぎないけど、知恵くらいなら、貸してあげられる」 「……何か考えがあるの?」 「アコニット、君―」 誓護はぽんとアコニットの肩を叩き、軽い口調で訊いた。 「侵略する覚悟はある?」 かっけー!七剣花者それぞれと一対一に持って…
さあ、桃原。回線を告げるゴングは鳴った。 正々堂々、騙し合いといこう。 騙しあいになる。そう考えた時点で負けだったんだろうなあ。計算し尽くされた欺瞞模様にやられた。最後の詰めが甘いのはいつものことだけど、憎しみが本物になってくると……やばいか…
「馬鹿げた大風呂敷さ。だが……なぜかな?オレも、オドラさまも、当の姫さんさえ、そのマヌケな大風呂敷にのっかるつもりでいる」 にやり、と凄絶な笑みを刻む。 「あいつには、それができると、ハラの底から信じてんだよ」 ピンチの連続に綱渡り。都合いいと…
「ああ、アコニット。私の可愛い貴女。何て素晴らしい夜なのかしら。私は戻ってきたわ。戻ってきたのよ。貴女をこの手で―殺してあげるために」 面白いんだけど……物足りなく感じちゃうのは、誓護が「ただの人」という位置づけじゃなくなっちゃったからかしら…
「菓子が欲しいとダダこねて、オレを人界へ密航させたり。面白い芸をやれとか、説教を変わりに聞いてこいとか、無茶を言って困らせてくれたり。わがままで、高慢ちきで、手のかかるお子様だ。それでも―」 軋軋はにやっと自嘲ぎみに笑った。 「アンタが、オレ…
「何なんだ、お前らは!何だってんだ畜生!畜生!畜生!この化け物めっ!」 「それは違いますよ」 誓護はある種の絶望をこめて、ささやくように言った。 「化け物は、貴方の方です」 とにかくアコニットが可愛かった。でも、いのりの出番が少ないことに泣き…
どこにいるの、誓護。おばか下僕。貴方は― 無事でいるの? アコニットは口をゆがめ、宙をにらみつけた。 「間が悪いのよ、ばか誓護……」 今回は逃走劇でした。まだまだ奥が深そうですね。 → 感想
「あのさ、僕らはお互いに弱みを握り合ったんだ。それは信頼と同じことだろ?」 「!」 「君がそんなに隠したい秘密なら、僕にとっては最高の、そして最後の切り札だ。だから」 にこっと笑いかける。 「君が僕を裏切らない限り、僕は君を裏切らないよ」 これ…
シリーズ最終巻 → 感想
自分の気持ちに気づいたか? 感想: http://www.booklines.net/archives/482916333X.php
「国定ヒロトが障害事件を起こしたぞ」 そんな校長の言葉に驚き、慌ててヒロトのマンションへ駆けつけると、紗都里がいた。 どうやら完全に被害者であり、手は出さなかったらしい。 ほっとしたのもつかの間、今度はヒロトが拉致された。 普段ならともかく、…
初代バクトが生涯見破れなかった十種のイカサマ。 そのうちのひとりの居場所がわかった。 今でもそのイカサマが使われているのか、自分にも見破れないのか。 そのディーラを追いかけて賭博船に乗る沙都里とヒロト。 一方生徒全員の卒業旅行に行くはずが、な…
ヒロトの部屋に入るサトリ。 一人暮らしの男性の部屋に入るということは・・・。 そんな現場を見てしまった音無。 さらに追い討ちをかけるようにヒロトの放校問題。 話し合おうと、彼がいる場所を訪れる。 そこで起きた冷たい仕打ち。 そんな彼らを見ていた…
ささいな仲違いで妹のありすが出て行った。いつものことと放置して いたが、行方が分からなくなる。 ありすを探す国定と音無。やがてありすの居場所のヒントを教える という少女が現れる。 「わたしがバクトよ」 バクトである国定を前にして言い放つ言葉。間…
教え子の両親が博打にはまり、助けようとして自分も借金にまみれた教師。 途方にくれていたとき、自分の教え子が伝説の賭博師が残したとされる本 「ダランベールの黙示録」を持っていることを知り助けを求める。 「本などない」といいつつ、手助けをする生徒…