2006-05-11 GOSICKsⅡ ゴシックエス・夏から遠ざかる列車 book 桜庭一樹 「えっと、その……」 「なんだね?」 ヴィクトリカは表情の浮かぶことのない、透き通って冷酷めいたエメラルドグリーンの瞳をけぶらせて、こちらを見下ろしていた。一弥は少し戸惑って、 「今日から夏休みなんだよ、ヴィクトリカ。えっと、君は、その……」 「わたしはずっと、ここにいるのだ」 ヴィクトリカは抑揚の無い声でそう答えた。 「ずっと……」 九城とヴィクトリカの夏休みを描いた、6編からなる短編集 → 感想