イレギュラー 黒の王

「リツ、聞こえるか?」
「ええ」
「さっきはつらい思いをさせて悪かった。おまえが背負うことじゃない」
「わたしも、セキさんのときに同じことをあなたに強いたわ」
紅月を抜き払って鞘を投げ捨て、峰を肩に置いた。エレベータのボタンをダメもとで押してみる。意外にも機会の作動音が静かに響き、天空への入り口が開いた。
「行ってくる」
ナオがエレベータ内へと足を踏み入れた。
「……行ってらっしゃい」
扉がゆっくりと閉ざされる。

人類とイレギュラーとの最後の戦い! → 感想