シリアスレイジ4 南溟奇譚 上

―ったく、なんでおれが、「獲物」にこんな話をしているんだか。
神楽は心の中で顔をしかめ、すぐに理由に思い当たる。
守屋篤志という少年が、夢に向かってまっすぐに突っ走っているからだ。〝変異種採集者〟となることに何の疑いも抱かず、わずかの努力も惜しまない。
確固たる夢を持ち、それを実現させようとする篤志の姿に、この自分は羨望を抱いている。

夢、か。おれには、そんなものを見る権利すらなかった。

「適合者」を求める者たちの陰謀渦巻く海洋冒険物語 → 感想