まほろ駅前多田便利軒

「生きていればやり直せるって言いたいの?」
「いや。やり直せることなんかほとんどない。いくら期待しても、おまえの親が、おまえの望む形で愛してくれることはないだろう」
「そうだろうね」
「だけど、まだだれかを愛するチャンスはある。与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、おまえは新しく誰かに与えることができるんだ。そのチャンスは残されている」

痛快で人情味あふれる物語。直木賞受賞作 → 感想