野望は暗闇の奥で カイルロッドの苦難 5

「つまりさ、俺たちは人を見る目を養わなくちゃいけないんだよ」
経験だけが、嘘と本当を見抜く力を磨くのだ。何回も何回も騙され、泣いて、自分に歯軋りをして、その力を磨くしかないと、カイルロッドは思った。
「なに?」
視線を感じてカイルロッドが訊くと、
「なんか、イルダーナフの台詞みたい」
ミランシャの明るい茶色の目が、少し意地悪く笑った。

わりと平和な気がするのは不幸になれてしまったからかしら → 感想