銀月のソルトレージュ ひとつめの虚言

ごぶり、という大きな音が喉元で鳴った。
貫かれた場所は正確に心臓の少し上。
(殺され、た、のか……?)
瞳を動かして、目の前の少女を見る。
少女は、柔らかな笑みを浮かべた。それは、本当に、優しい笑顔だった。
「私を恨むがいい―」
少女の唇が囁き、茫漠とし始めた意識の片隅で、リュカはそれを聞いた。
「―きみにはその権利がある」

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