図書館危機

「階級章を決めるとき、意匠にカミツレを入れることを決めたのも司令だ。カミツレ花言葉って知ってるか」
「いえ」
郁の知ってるカモミールカミツレは、マーガレットににたかわいい白い花で、ハーブやアロマの定番。リンゴに似た甘い香りで、ハーブティーにすると、初心者向けの優しい味になる。
「恥じらいとか初恋とか」
カミツレの持っている優しげな花姿で浮かんだ言葉をあてずっぽうに挙げてみた郁に、堂上は真顔で答えた。
「『苦難の中の力』」
胸を衝かれたように一瞬息が止まった。
それは、いったいどれほど図書隊の決意に相応しい言葉だろう。

乙女ビームに爆笑させられつつ、戦いでは涙させられました。次で終わりだなんて…… → 感想