紅蓮天女 封殺鬼シリーズ 17

「鬼がいたからこそ、かもしれんな」
「おったから?」
「わざわざ鬼のいない里と銘打って、この地はもう平和で安全なのだと先見に知らしめた。中央権力に抗う反逆者は、ここにはもういないのだとな。おそらく、時の権力者たちは、それをうのみにしただろう。現に朝廷は二度と、この地に兵を差し向けることはしなかった」
「――」
「そうやってここの者たちは、地名を鬼の護りにした。朝廷の目を欺いて、鬼の存在を隠すためにだ。……その可能性はある」

うお、こんな巧妙な罠が!しかもラストでびっくり。続編が手元にあってよかったとつくづく思う。→ 感想