獅子の玉座<レギウス>

「だれかの哀しみに目をつぶり、弱いひとたちの弱さを憎んで、非道な行いも当然だなんて、あたくしは思いたくない。大事に想い、愛しく想うものがあって、そのために動くひとだってきっといるはずだわ。女神エウレネが、あたくしたち人間を汚らわしい芥からつくられたように、あたくしたちが本当は、さげすまれるような汚い本性を持っているのだとしても……女神は同じだけ深い情愛をそそいでくださったのよ。あたくしは、その情愛を信じるわ」
聖なる皇女は静かに、告げた。
「それが――あたくしの、誇りよ」

これは面白かった。王女と傭兵の掛け合いは笑いが絶えませんが、それ以上に信頼が築かれていく展開がすばらしい。今後も期待なファンタジーです。→ 感想