マサト真希

江姫―乱国の華(上) 浅井の幼姫

「女子は生きねばならぬ。生きて、生きて生き抜いて、その身に流れる血を後の世につないでいかねばならぬ。そなたらが背負うのは、浅井と織田の血。それを絶やしてはならぬ。命を軽んじ、血を絶やすことこそ、何よりの不面目と心得よ」 茶々は、初は、そして…

よめせんっ!

「終わりましたか。楽しそうで、ようございました」 「いや、楽しいなんて……」 広人は否定し空けて、ふと口を閉ざすと、部屋を見渡した。狭いこの部屋に、これだけ誰かがいるのは初めてだった。 風邪をひいて、寄ってたかって心配されたり、看病されたり、な…

獅子の玉座 <レギウス>(3) 妖精楽園

「あなたが守る神の座 ― 聖王女は、忌まわしき誓約に縛られています」 ハーヴィンはふたりを見つめ、穏やかだがしっかりとした口調で告げた。 「その誓約の猶予を伸ばす方法と、そして……神々の秘した真実を、お話します」 いろいろ見えてきたなあ。これから…

獅子の玉座 <レギウス>(2) 巨人の聖砦

「ですけれど、あたくしは彼の行動をこの目で見たのです。万の言葉を費やして、あたくしに不信を植えつけようとなさっても徒労ですわ。どんな誹謗を聞かされても、命をかけてあたくしに生を与えてくれた彼への信頼がゆらぐことなどありません」 聖王女は、威…

獅子の玉座<レギウス>

「だれかの哀しみに目をつぶり、弱いひとたちの弱さを憎んで、非道な行いも当然だなんて、あたくしは思いたくない。大事に想い、愛しく想うものがあって、そのために動くひとだってきっといるはずだわ。女神エウレネが、あたくしたち人間を汚らわしい芥から…

絶世少女ディフェンソル4

「でも、さっき言ってくれたではありませんか。わたしのそばに来たかったと。体がふたつあれば良かったと。それで、わたしは十分です」 黒衣の少女は血に汚れた腕を伸ばすと、そっと友人を抱きしめて優しくささやいた。 「だから、行ってください。前にもい…

絶世少女ディフェンソル3

「じゃあ、ユイナ。またあとでな」 慎はかたわらにじっと立つユイナをふり返る。彼女はこくん、とうなずくが動かない。 どうしたのかと慎が声をかけようとしたそのときだ。 不意にユイナが、ぎゅ……っと、慎の片腕を両腕で抱えて胸に抱きしめた。 まるで、胸…

絶世少女ディフェンソル 2

「……あ……あの…………あのね。あの……」 うつむいて突然、彼女はいった。 「……ぎゅって、しても……いい?」 ― は? 悩める少年少女たちの戦い → 感想

絶世少女ディフェンソル

期待の新シリーズ 感想: http://www.booklines.net/archives/4840232431.php

スカイワード 3【amazon/bk1】

隣国は貧しい国である。ゆえに戦争が始まったとしても、負けるはずがない。 誰もがそう思っていた矢先に、空から攻撃を受ける。 わが国が誇るリュージュを敵が使用している?なぜ? やがて敵の本体が現れる。かつての仲間がそこにいる。 その仲間とは、アケ…

スカイワード 2 [amazon][bk1]

母が残したリュージュの機体「スカイワード」で、出場した大滑空走際で優勝したアケル。 首府城のお抱えリュージュ乗りとなり、姫であるナナと再会する。 だが、時代は戦争へと移り変わり、空を飛ぶ機体であるリュージュは戦争に活用されようとしていた。母…

スカイワード [amazon][bk1]

大滑空走際。それはリュージュと呼ばれる翼を持つそりに乗って滑走を競う祭り。 最下層の貧民として生活するアケルは空を目指し、擬人であるアムレードへ自分の機体「スカイワード」のナビになってほしいと要求する。 そんなおり、姫の身分を隠して最下層を…