江姫―乱国の華(上) 浅井の幼姫

「女子は生きねばならぬ。生きて、生きて生き抜いて、その身に流れる血を後の世につないでいかねばならぬ。そなたらが背負うのは、浅井と織田の血。それを絶やしてはならぬ。命を軽んじ、血を絶やすことこそ、何よりの不面目と心得よ」
茶々は、初は、そして江は、息を呑んで母の言葉を聞いた。
「男子は名を継ぐが務め。されど女子は血を継ぐが務め。ゆめ忘るるでないぞ」

浅井長政の三女・江の波乱に満ちた物語の上巻。幼い頃の江は、好奇心旺盛で、まっすぐで、勇ましさも、可愛い。美しき母と姉たちに見守られてすくすく育ちながら、信長にも気に入られていくところとか、とてもよかった。でも、大好きな伯父を、大好きな母を亡くして、初恋の人との結婚もまた戦乱によって引き裂かれて、十二歳だというのにこんなに波乱があるとは……続きが気になる。→ 感想