スイート・ダイアリーズ

今、亜季の頭を占めるのは、すこし舌ったらずの甘い声で囁かれた、あの言葉。
『私、やってあげてもいいよ』
この世界で一番あの男の死を切望していたのは、まちがいなく亜季自身だ。頭の中で、何度殺したか知れない。
『家もわりと近いし、やりやすいから』
あの男もよく通っていたという河川敷。そこは素子のアパートの近くでもあった。
「……まさか」

少しずつ生まれる歪にやられました。最後のわずかな希望にすがりたくなる。 → 感想