2007-12-26 リリイの籠 book ☆☆☆☆ 豊島ミホ だって、銀杏泥棒……。 誰にも見つからないように、緑の葉がちらつく枝を盗み出す。そんなことをする女の子が、この場にいるなんて。 「なにー?どうしたの、春」 答える余裕なんかない。わたしはただ、自分の胸をすっと抜けていった、あの女のこの姿を思い描いている。 ダメだ。そのまま油絵にはなりそうにない。 でも、確信した。あれは私のモチーフだ。 甘かったり、優しかったり、時に冷たかったり。そんな女の子同士の特別を描いたお話。マリみて好きなら手を出して損ないんじゃないかしら。 → 感想