甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖 1

「そちたちは、徳川の世継ぎを定めるために、たたかってくれる所存があるか」
「徳川家のおんとめとは申さず、服部どののおゆるしさえあれば、いつなりと」
と、老人と老女は同時にこたえた。
「ゆるす、ゆるす。先代がそなたらにかけた誓いの手綱をいま解くぞ。甲賀か、伊賀か、勝ちの帰するところ、恐れ多くも将軍家の天命をさずかりたもう御方がきまるのじゃ。いまだかつて、これほど大いなる忍法の争いがあったか。よろこんで死に候え」

奇妙奇天烈な戦いが、素晴らしく面白かった。ほんとページをめくる手が止まりませんでしたよ。忍法帖は全部読むこと決定で。 → 感想