“文学少女”と神に臨む作家 上

「井上の家に、行ってみたい」
「ぼくの?」
「だだだだだ、ダメだったら、いいんだけどっ。どーしてもってわけじゃないし。映画でも水族館でも、あたしは全然―」
くすりと、思わず笑いがもれる。
「いいよ。ぼくの部屋なんか、なにもないけど、それでよければ日曜日に遊びにおいで」
見上げる顔がぱーっと明るくなり、女の子らしい素直な笑みがいっぱいに広がった。
「うんっ、ありがとう。絶対行くっ」

琴吹さんがかわいくてかわいくて。流人くんがこわくてこわくて。 → 感想