ソフィアの宝石 ―乙女は、彼に誘われる―


「守ると決めたから、かならず守る。……守らせてくれ」

「……」

我慢しきれず、リディアの相貌から涙がこぼれ落ちてしまう。

(……どうしよう……嬉しい)

優しくはない。けれどいつものようにぶっきらぼうじゃないスレイドルの真剣な声に、胸がいっぱいになって、涙が止まらなくなる。

(貴族の、よりによって、スレイなのに)