9S<ナインエス> (9)

「君は馬鹿だ」
「知ってる」
「いいや知らない。君は君が思っている以上に大馬鹿者だ」
「そ、そこまで言う必要はないんじゃな……」
反論を試みようとした闘真の言葉が途中で停止した。由宇の体がすっと寄ると、心地よい香りが鼻腔に届き心臓が跳ね上がった。あっと思う間もなく由宇の両手は闘真の背に回り、優しく抱きしめた。
「ふふ、なぜだろうな。その馬鹿なところが私を安心させる」

やっぱり由宇は格好いい!闘真との関係も、進みつつ最後の一歩が……、ああもどかしい。 → 感想