ライタークロイス 4

「……卿は」
ファリアはうつむき、白い指を伸ばしてカインの胸元をつかんだ。しがみつくように頭をカインの胸に寄せる。嗚咽にも似た声を、薄い唇から絞りだした。 「卿は、いつも、いるのだな」 ドレスの裾、膝あたりに滴が落ちて、小さな染みができる。 「試験のときも、ウガルの山でも、魔物と対峙したときでも、私のそばにいてくれるのだな」

カイン争奪戦の行方もさることながら、国同士の謀略も見ものです。いやはや、面白くなってきた! → 感想