幻想症候群

「でも時が過ぎれば君は……死んでしまう」
思わず言った言葉に自分で後悔し、頭を下げる。しかし彼女は怒りもせず困ったような表情を見せるだけだった。
「時間が進むから生きていることができます。生きているから死ぬんです。私は死ぬまで、生きていたいんです」

切なくも前を向く短編集でした。この人が描く雰囲気は好きです。 → 感想