チェンジリング・シー

「父はたぶん、あの夜始めてぼくが本当は誰の子どもなのか気づいたはずだ。これまでとは違う目でぼくを見るのがわかったから。ほんの一瞬だったけど。父は信じたくないんだろうな、僕が本当は海の子どもだなんて」
キールはひと息ついた。ペリは応じの鼓動を感じた。
「あの夜……きみがぼくを海から助け出してくれたあの夜まで、ぼくは泣いたことがなかった。どんなに子どもの時も。本当の涙を知らなかった。でもきみは、ぼくが半分は人間だってことを思い出させてくれたんだ」

海を思う王子と、海を憎む少女の恋物語。ちょっとした魔法と海竜が出てきたら、なんと幻想的になったことか。素晴らしかったです。→ 感想