隻腕の神の島 成就の章

「少年の気持ちは、わからないでもないけどね。人生の岐路なんてものは、誰の人生にも洩れなくついてくるもんだけど、あんたの場合は、それが他人より大きいそれだから。たまには立ち止まって、いろいろ考えるのもいいとは思うんだわ。実際、感情に忠実に、猪突猛進したせいで、不要の争いが起こった例なんか、歴史でいくらだってあるし……でもね」
ぽん、と軽く頭に載せられた手が、とてもとてもやさしかった。
「考えるのはいいけど、立ち止まっちゃ、駄目よ。よく言うでしょ、しないで後悔するより、して後悔したほうがいいって。それはちょっと違うかなって気がしないでもないけど、でもねえ、少年、走るなり歩くなり、自分で足を踏み出さないことには、なんにも始まらないのよ」

最後まで面白かった!欲を言うなら、この後のナルファイアがどういう道を辿っていったのか、もうちょっと知りたかったかな。 → 感想